井戸を埋める工事と息抜きとは?|井戸専門店創業50年

みなさま、こんにちは。先代から引き継ぎ半世紀以上、千葉県山武市を拠点に活動する水道・井戸掘りの専門店「小林ポンプ」です。

さて、今回は、井戸を埋める工事についてご紹介します。その際に行う「息抜き」について、よく質問をいただきますので詳しく解説いたします。

なぜ、井戸を埋めるのか?

そもそも、なぜ井戸を埋める必要があるのでしょうか。それは、長年使っていないとか、水が上がってこなくなったとか、売買のためにさら地にするためとか、理由はいろいろです。しかし、長年使っていない場合には、再利用できるかどうかを調査する提案をさせていただくことがあります。

飲み水としては無理でも、災害用や日ごろの散水用として使えるなら使った方がお得! まずは、井戸を本当に埋める必要があるかどうかを確認します。

井戸を埋める工事の流れ

井戸を埋める工事は、以下の流れです。

1.お祓い
2.井戸の水を吸いあげる
3.井戸枠をはずす
4.パイプを設置→息抜きと言われるパイプ
5.川砂などで埋める
6.整地する

まずは、井戸を閉じるお祓いをします。これは、強制ではございませんが、弊社で工事する場合は基本的にはお祓いをいたします。井戸の中には水の神様が宿っていると考え、感謝を伝えるのが一般的であるという考えからです。

次に、井戸の中の水をポンプを使ってすべて吸い上げます。ゴミが落ちている場合などは取れる範囲で清掃します。次に、井戸枠を外します。

そしてここがポイントです。埋め戻すときにパイプをさしてその周りへ川砂や砂利、砕石など自然で安全な材料を重機で入れて埋めます。地表を整地し表面の土と慣らして埋め戻し工事は終わりです。

工事が終わりると、まっさらな土の一カ所からパイプの先っちょだけがひょこり顔を出している状態です。このパイプを「息抜き」と呼んでいます。

井戸の「息抜き」とは?

「息抜き」に関する科学的根拠ですが、地中の「ガス抜き」の意味が強いという理解です。

天然ガスは、地中のプランクトンの死骸で発生するそうですが、千葉県はその天然ガスが豊かであるそうです。以前、九十九里でも天然ガスの事件が起きています。

参照:国土交通省 関東地方整備局「営繕工事のける天然ガス対応のための関係官公庁連絡会議編

また、地下で暮らしている微生物について調べ滋賀県立「琵琶湖博物館」さんの「うみっこ通信」が面白かったので、リンクを貼っておきます。

参照:「うみっこ通信

このように、天然ガスは地下水の中に溶けこんだ状態で存在しているそうで、昔の人は、それを知っていたのかどうかは不明ですが、息抜きと言われるパイプを設置するのは、井戸を埋める工事では必須の工事となっています。

井戸を埋めるには、お祓いをして、埋め戻し、その時には息抜きのためのパイプも設置するというのが井戸の埋め戻し工事の流れとなっています。

以上今回は、井戸を埋める工事と息抜きについて解説しました。埋め戻しには、自然界を壊さないためにプロの技術が必要です。必ず専門の業者に依頼して埋め戻しを行ってくださいね。